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センパイ学

15限目:井関農機(株) 奥村 和哉さん

(2008年3月 農学部生物資源学科情報生産コース 卒業)

<現在>
井関農機(株) コンバイン技術部

モノづくりの楽しさを感じながら日々働いています。大学時代の専攻と違う分野の仕事ですが,必要な知識やスキルは入社後身につけました。

現在の仕事を選んだ理由・きっかけを教えてください。

元々は高校の農業教員を目指し,教員免許を取得したものの,農業高校が年々少なくなり募集人員が減っているという現状がありました。それらも含めて,自分がやりたいことを再度考えたとき,農業機械を通した農業へのかかわり方に気づきました。

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農業機械といえばまず井関農機が思い浮かびました。元々,実家が農家で,使用している機械が全て井関農機製のものだったんです。地元で就職したい気持ちもあって,井関農機を受けました。他にも,教員ではないのですが,塾講師も受けました。今では,教えるというよりは自分で何か物を作る方が向いているとわかっているので,この仕事で良かったと思いますね。

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現在の仕事の内容・苦労するところを教えてください。

コンバイン技術部に所属して設計などを担当しています。私は農業分野を専攻していたので,設計という分野は難しいかなと思っていたのですが,研修後にコンバインが作りたいという希望を出したところ配属されました。

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コンバインとは稲を刈り取り,それを漕いて,排出して籾袋に入れる作業をする機械になります。設計では刈り取り部,脱穀部,走行部に分かれており,自分は全体の操作に関わる走行部に所属していて,運転のハンドルや足回りの設計をしています。コンバインは基本的に車のようなタイヤではなく,クローラーというキャタピラーのようなもので走ります。そこの設計の中でも電気系統の制御を主に担当しています。

コンバインは2年に一度,新型が販売されています。新しい製品を作り続けなければならないという意味では,設計者という仕事は大変だと思います。
コンバインを作る際,まず上層部から来る案を,設計を担当する我々がどうすればそのように機能するのかを考え図面におこし,試作機を作ります。その試作機をもって,沖縄から北海道までの農家さんのところへ稲刈りの試運転に行きます。ダメなところがあれば持ち帰り,直してまた稲を刈りに行くといった繰り返しですね。最後は社内で耐久試験などを行い,クリアできたら量産して新型のコンバインが販売されます。自分が作ったコンバインが評価されると嬉しいですし,やりがいにもなります。

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大学時に所属していたサークル,部活があれば教えてください。

一年ほど硬式のテニスサークルに所属していましたが,大学までは軟式テニスしかやったことがなかったので,硬式テニスが合わなくて辞めました。

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私は附属高校出身で,当時所属していた軟式テニス部が練習しているコートが農学部内にあるので,サークルを辞めてからは,授業が終わったら部活に顔を出して高校の後輩たちと練習に参加していました。大学ではサークルよりもアルバイトの方を優先し,4年間同じ飲食店で働きました。 アルバイトを続けるうちにのめり込んでしまい,最終的に調理師免許を取得しました。豚カツメインのお店だったのですが,授業が終わったら高校生とテニスをして,夜はアルバイト先で豚カツを揚げていました(笑)。

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キャンパス内で思い出深い場所はありますか。

研究室ですね。 グラインダーを削り出したり,穴を空けたりといった加工の作業ができる特殊な場所だったのでよく覚えています。
研究室では機械の組み立て作業をよくやりましたね。組み立てる機械の設計まではやらなかったのですが,井関農機などの農業機械専門の人たちと共同研究といった形で,実験データを取っていました。大学時代を通して,研究室では機械を組み立てて,アルバイト先で調理をしていたので,やはり当時からなにか物を作るということが好きでしたね。研究室の作業が終わればすぐにテニスをしてアルバイトへ行くという流れだったので,キャンパス内にいる時間というのは少し貴重だったかもしれません。

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社会人になってから気をつけていることを教えてください。

やっぱりコミュニケーションですね。報告・連絡・相談,「ホウレンソウ」という言葉を耳にしたことがあると思うんですけど,この3つは大事にしています。

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特にこの3つは,自分から発信していかないと相手には絶対に伝わりません。私の仕事の場合だと,自分の考えだけで物を作ってしまうと,後々,自分だけでは気づかなかった問題が起きることがあり,取り返しのつかないことになります。一つ一つ自分の考えていることに対して,一緒に仕事をするメンバーに伝え,その人の意見を聞き,取り入れていくことが大事だと思います。7年間働いてきて,このことは大切にしなければならないこととして身体に染み付いています。

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愛大生へメッセージをお願いします。

繰り返しにはなるのですが,たくさんの人とコミュニケーションを取るようにしてください。

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就活や入社してからの仕事は,上司や取引先といった,たくさんの人とコミュニケーションを取ることによって成り立つものです。私は大学時代のアルバイト先でコミュニケーションを取ることが多かったので,その経験は今の職場でも活きていると思います。皆さんもアルバイト先であったり,いろんな場面で誰かと働いたり,一緒に作業をしたりすることがあれば,自分の言葉でしっかり伝えるということを意識して取り組むようにしてみてはいかがでしょうか。またそういった機会を自分からどんどん増やして,コミュニケーション力を高めるよう努めてください。

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インタビューを終えて

【星野】
 就職活動を始めるとき,分野や業界を決めると思いますが,農業という分野だけでも,農家として農業を営むかかわり方,教員として農業を教えるかかわり方,農業機械を製作するかかわり方,農作物を販売する関わり方など,様々に考えられます。めまぐるしく時代が変わる中では,自分の望むかかわり方ができるとは限りません。しかし,柔軟な考えを持てば,かかわりたい分野や業界とのかかわり方はひとつに限定することなく,新しい可能性をチャレンジすることができるんだと思います。新しい可能性の中に,これまで知らなかった自分の適性が見つかるかもしれませんね。

【福井】
 設計というと,学校で専門的な勉強をして就職といったイメージでした。しかし奥村さんのように就職してから設計について学びつつ働くという流れもあります。大学での講義だけに目を向けていると将来働きたい職業というものが見えにくくなります。将来の自分を決める軸を作るには,常に自分が興味を持つものにアンテナを張る事が重要だと思いました。そして奥村さんのように沢山の人とコミュニケーションを広げていく事がその具体的な手段になるのです。これから就職活動の人も,焦って自分の将来を決めつけずに,広い視野を持って可能性を探るといいかもしれません。

お忙しい中,丁寧にインタビューに応えてくださり,ありがとうございました。

<平成28年3月11日掲載>

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