お知らせ
子規俳句カレンダー2008 作成エピソードをまとめました。
■■ 子規俳句カレンダー作成裏話 ■■
今回のカレンダー作成についてのエピソードや意見・評を以下にご紹介します。
正岡子規の俳句がより身近に感じられる内容です。ご感想等ございましたら,こちらまでお寄せ下さい。
→ 校友会事務局 office@koyu.ehime-u.jp
1月
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多田満中絵巻 大学図書館蔵 |
一月となりけり雪もふりにけり
January has come snow has already fallen
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1895年(明治28年) |
「なりけり」 「ふりにけり」を英訳するのは難しかった。 重なる切れがかえって新年のすがすがしさになっている・・・選句者評 |
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2月
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章光堂 (撮影:愛媛大学広報室) |
星一つ落ちて夜明けの梅寒し A falling star in the chill of plum blossoms at dawn |
1894年(明治27年)
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falling star = 流れ星 写真も2月の章光堂 大久保俊充七回忌の折の席題か? 夜明けと流れ星の組み合わせが綺麗だ。 |
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3月
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桜満開間近の松山城 (撮影:政岡孝) |
野に出でゝ写生する春となりにけり
Out in the field to sketch spring has come |
1900年(明治33年)
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病床にありながらも外へと目の向く子規の強さ。 原野10句のうちの一句 写真の桜は一週間しかないので,朝早く3,4度通った。人も多く大変だった。 |
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4月
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萬翠荘 (撮影:政岡孝) |
日暮るゝや寺に灯ともす山櫻
Nightfall the mountain cherry blossoms light the temple |
1896年(明治29年)
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昔の静かな風景が浮かぶ句として選句 脊椎カリエスとわかる一週間前 もう少し下の道路を出せば良かったか。 |
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5月
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城北キャンパス (撮影:政岡孝) |
其上に城見ゆるなり夏木立
The castle appears above a summer grove |
1894年(明治27年)
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どこの城のことか不明だが,緑に憩う学生達の上に城が見えてくるようだ。 2年経って早稲田大学の文芸誌に掲載 緑ある大学で良い写真 |
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6月
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附属農園 留学生 (撮影:政岡孝) |
舟一つ虹をくゞつて帰りけり
One boat going home under the rainbow |
1890年(明治23年)
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子規の「虹」を季語として使った句はこれ一つ 農業を学んで帰る留学生とイメージが一致 雄大さや夢を感じる句 |
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7月
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ウィスコンシン大学マディソン校 |
夕風や白薔薇の花皆動く
Evening breeze white roses all stirring |
1890年(明治23年)
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高浜虚子へ写生の手本として手紙に書かれた一句 windではなくbreezeのイメージか 無細胞研究の説明書きがあればなお良かったか。 |
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8月
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保育施設「あいあいキッズ」 (撮影:政岡孝) |
うれしさや七夕竹の中を行く
Happiness passing through tanabata bamboo decorations |
1893年(明治26年)
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子どもの視線を向けてもらうのに2・30枚撮り,苦労した写真 前書きに「旅中」とあり,同年の東北旅行の際の句か 。 |
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9月
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松山城天守閣 (撮影:政岡孝) |
見あぐれば塔の高さよ秋の空 Looking up to the height of the pagoda autumn sky |
1895年(明治28年)
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柳原極道と一緒に石手寺に参った時の句 〆切間近に写真を撮りに走ってもらった。 「身の上や みくじを引けば 秋の風」 同時期の句,そのくじには「病気長引く也,命にはさはりなし」と。 |
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10月
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HIME-DIA (撮影:政岡孝) |
長き夜や千年の後を考へる
The long night thinking of a thousand years from now |
1896年(明治29年)
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「千年の後を考える」=大学と結びつく 千年前を考える時,変わらないものがあることに気付かされる・・・選句者評 4mmのダイヤを撮った後,埃を画像から取り除くのに苦労した。 |
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11月
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宋版「宗鏡録」 (撮影:政岡孝) |
順禮の数珠もんで行く時雨哉
A pilgrim goes telling his prayer beads winter drizzle
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1892年(明治25年)
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芭蕉の句にも「時雨」は多いが子規も多作している。 「宋鏡録」は同じ版が文化財になっている。 落款の赤をもっと強くすれば良かったか。 |
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12月
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天狗岳(石鎚山) (撮影:政岡孝) |
人間を笑ふが如し年の暮 The end of the year as if laughing at humans |
1898年(明治31年)
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なかなか出くわさない一期一会の一枚。流雲と天狗岳の造形は見事。 シニカルな表現が年の暮れを深く捉えている・・・選句者評 |