愛媛大学校友会事務局


センパイ学

19限目:松山市役所 迫さん・大西さん・戸苅さん・岡市さん

<取材時> 松山市役所 環境モデル都市推進課 (4名とも)
迫   裕美さん
 2003年3月 法文学部総合政策学科 卒業

大西 智子さん
 2012年3月 法文学部総合政策学科 卒業

戸苅 聡子さん
 2014年3月 法文学部総合政策学科 卒業

岡市 智美さん
 2015年3月 法文学部人文学科 卒業

環境モデル都市に選定されている松山市の環境整備や環境問題の解決に向けて、幅広い事業を協力して進めています。

現在の仕事を選んだ理由・きっかけは何ですか。

〈迫さん〉 学生の頃ははっきりと「これになりたい」というのはありませんでした。興味のあることが沢山あったため、業種を絞らず自分の考え方次第で色々なことができそうな市役所を選択しました。また、当時周囲が公務員ブームで、身近な人たちの多くが「公務員」を目指していたことにも影響されました。

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〈大西さん〉 ゼミでは経営学を学んでいたので、民間企業への就職を考えていました。しかし、2回生の時に、ゼミ研究の一環で愛媛県と連携して県内企業に提案するエコ製品の販売戦略を考えたことをきっかけに、企業や大学とも協力しながら幅広い取組みを行っている行政の仕事に興味を持つようになり、3回生の時に公務員になることを決めました。

〈戸苅さん〉 大学の時にSCV(スチューデント・キャンパス・ボランティア)のAIVO(愛大ボランティアオーガニゼーション)に所属していました。そこでボランティア活動をしている中で、行政の仕事に興味を持ちました。また、周りに公務員を目指していた人が多かったことも影響していると思います。

〈岡市さん〉 1回生の頃から第2外国語の授業をきっかけにドイツ語を勉強していて、3回生の時に「ドイツの環境首都」といわれるフライブルクに行きました。施策によって街が大きく変わるということを実感し、松山市の行政に携わりたいと考えるようになりました。

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環境モデル都市推進課のお仕事について教えてください。

〈迫さん〉
市役所の中にはたくさんの「部」があって、それぞれの下に複数の「課」があります。
「環境モデル都市推進課」は「環境部」の下にある部署で、4つの係があります。

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① 環境モデル都市である松山市の地球温暖化対策に関することを行う係
② 窓口で太陽光パネルの設置などの補助金関連について対応をする係
③ エコリーダー派遣、松山市の美化(市民大清掃)や環境に関する施設(まつやまRe・再来館、都市環境学習センター)の運営、特定外来生物への対応等を行う係。
④ 環境部の中の調整や、環境総合計画という大きいプロジェクトの推進を行う係

一つの係が平均4人で仕事をしています。また、松山市には「ジョブ・ローテーション制度」があるので、就職後の10年間はだいたい3〜4年で「課」の異動があります。

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岡市さん、戸苅さん
迫さん

現在どのような仕事を担当していますか。

〈迫さん〉 教員の免許はもっていませんが、小学生や高齢者を対象に授業をしたりします。愛媛大学の社会共創学部でも授業をしました。

〈大西さん〉 温暖化施策の進捗管理のため、毎年公表している松山市の温室効果ガス排出量の計算を現在頑張っています。また、「環境」は国際的なテーマなので、去年は国際会議に参加する機会をいただいたのですが海外の方に松山市の環境の取り組みを知ってもらうための資料を作成するのに苦労しました。

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〈戸苅さん〉 松山市をより環境に優しい都市にするための取り組みや啓発を行っています。

〈岡市さん〉 環境モデル都市推進課の調整・評価担当というところで、環境部内の取りまとめの業務や廃棄物関係の計画の策定、またフォローアップ作業等を行っています。

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休日はありますか。

〈迫さん〉 基本的には土日祝が休みです。ただし、子ども向けイベントの運営などで出勤することもあります。また、今は土日に国体の仕事が入ることもあります。国体関係の仕事は部署の垣根を越えて全員で取り組んでいます。
また、課によっても休日は違い,坂の上の雲ミュージアムなど市の運営する施設に勤めている職員はシフト制のため、土日関係なく週休2日で働いています。
長い休みとしては、年末年始(12月29日~1月3日)があります。お盆はカレンダー通りの休みなので、同じ課の人たちと調整して休みをとります。また,前々から調整して海外旅行に行く人もいます。

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大西さん
大西さん、迫さん

休日の過ごし方を教えてください。

〈迫さん〉 平日できないような家事をしたり、食材や日用品の買い物に行ったりすることが多いです。たまにスマートフォンの電源をOFFにして一日を過ごすこともあります。また、時々松山から離れてみようと思い立ち実家のある広島に帰ったり、友達と旅行に出かけたりして、リフレッシュしています。

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〈大西さん〉 友人と弾丸で旅行に行ったり、食事に行ったりしています。先日は大学時代の友達が愛媛に来てくれたので,愛媛大学へ遊びにいきました。思い出深い建物やカレーの匂いが懐かしかったです。また、車を持つ友人も多くなってきたのでドライブに出かけたりもします。

〈戸苅さん〉 普段は映画を見て気分転換することが多いです。また、年一回ペースで旅行に行きます。私はじっくりと計画を立てたい派なので、休日には一緒に行く人と旅行の計画を立てています。

〈岡市さん〉 学生時代の友達とご飯に行ったり、ドライブに行ったりしてリフレッシュしています。県内で就職している友達とはよく会っています。

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社会人になって気を付けていることを教えてください。

〈迫さん〉 人との距離感は色々な人と関わる仕事だけに重要です。社会人になると、年の離れた人との関わりが増えるので、世代ごとに考え方が違うことを意識して仕事をしています。また、同僚や民間企業の人との距離感も大切です。特定の人と仲良くなりすぎないように注意しています。「社会人として」,「公務員として」適切な距離感を保つように気をつけています。

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〈大西さん〉 当たり前かもしれませんが、健康管理には気を付けています。大学時代はあまり体調を崩さなかったので、社会人になってからも気にせずに過ごしていました。しかし、担当していた環境イベントの開催直前にインフルエンザにかかった時には、予防接種に行かなかったことを本当に後悔しました。急に休むと職場に迷惑がかかりますし、自分自身も焦ります。

〈戸苅さん〉 仕事の期限について、気を付けています。仕事には明確な期限がある仕事と、ない仕事があります。仕事をこなすための、スケジューリングをしっかり行うように意識しています。自分で立てた計画は周りの人に確認してもらっています。そうすることで、スケジュールの精度をあげています。

〈岡市さん〉 積極的に行動するようにしています。また、日々の業務の中で「こうすればもっと良くなるのではないか?」ということを考えながら働くように心掛けています。

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迫さん学生時
大西さん学生時

職場のアピールをお願いします。

〈迫さん〉 部署によって仕事は様々ですが、テレビに出る機会もあるし、自分が考えた言葉やデザインを印刷物に活かせる機会もあるし、小学校や大学で授業をすることや、地域で説明会をする機会もあります。つまり、とにかくみなさんが想像する以上に色々な経験ができます。現在の所属で4つ目の課になりますが、「異動=転職」だと思うことにしています。

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〈大西さん〉 環境モデル都市推進課は若手の女性が多く仲がいいです。全体でも19人なので皆と話せます。でも、これは課によって違います。人数の多い課は、新しく配属されて1ヶ月で全員の名前を覚えられなかったり、1年間ほとんど話したことのない同僚がいたりしました(笑)

〈戸苅さん〉 様々な仕事があり、毎回違う経験ができます。そんな新しいことにチャレンジできる職場です。

〈岡市さん〉 環境モデル都市推進課では、松山市の良さ、環境の大切さを伝えたり、「ごみ」の問題について考えることができます。その中で様々なことにチャレンジでき、経験することができます。

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どのような人が向いている仕事ですか。

〈迫さん〉 好奇心が旺盛な人や、「なぜ?」と疑問を持てる人。市役所の業務はとにかく幅が広いです。与えられた仕事をこなすだけではなく、新しい発想を持っている人がいたらいいなと思います。そして、特に事務職は幅広い分野で異動があります。希望しない仕事も好奇心をもって楽しめることが大切だと思います。

〈大西さん〉 市役所の仕事は本当に幅広いので、色々なことに興味を持てる人が向いていると思います。私も前の課では戸籍の旧字体や税の法律に苦労しましたが、現在はエネルギーや地球温暖化という全く異なる分野です。大変ですが、興味を持って仕事することで多くの知識が身に付き、市民の皆さまにも納得してもらえるような説明ができる職員になれるのかなと考えています。公務員は定型の仕事というイメージかもしれません。しかし、実際はそんなことはなく、結構面白いですよ。

〈戸苅さん〉 同じ課でも仕事内容は係によって全然違います。どんな仕事を任されても対応できる人、取り組もうとする人が向いているのではないでしょうか。

〈岡市さん〉 市役所の業務内容は多岐に渡り、職員は数年ごとに異動があります。そのため、色々なことに興味を持って取り組める人が向いているのではないかと思います。

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どのような学生生活を送っていましたか。

〈迫さん〉 「オンライン」という大規模なテニスサークルに所属して、毎週たくさんの仲間とテニスをしたり、飲み会をしたり…多くの時間を一緒に過ごしました。そこで得られたものが大きいですね。体育系だったので、年上の人への礼儀やコミュニケーション力はここで身に付けることができました。

〈大西さん〉 GI(生協学生委員会)に所属していました。新入生の部屋探しを手伝ったり、食堂のメニューを考えたり、受験生の相談にのったり…色々な活動をしていました。一緒に活動している時間が長かったからか、今でもそのメンバーと会っていますよ。

〈戸苅さん〉〉 大学時代に色々な経験をしたいと思っていて、その一つがボランティア活動でした。SCV(スチューデント・キャンパス・ボランティア)の一つであるAIVO(愛大ボランティアオーガニゼーション)に所属して愛媛大学生がボランティアに親しめる環境づくりに取り組んでいました。ゴミ拾いのツアー企画をしたりしました。今思えばそれが今の仕事に繋がっているのかもしれません。また、ゼミでは会計学を学びました。

〈岡市さん〉 アルバイトをしたり、長期休暇には友達と旅行に行ったり、資格をとったり、色々なことをして楽しい大学生活でした。サークル(愛翔会)活動では、「バドミントンが好き」というだけで、学年学部性別が違うたくさんの人と交流できるのが魅力でした。学祭も楽しかったですね。

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愛大生にメッセージをお願いします。

〈迫さん〉 卒業後の進路を考えて何をしたらいいか迷った時には、自分の強みや比較的自信のあることを探して育ててみてください。焦った時こそマイペースに持ち直しましょう!私が思うのは、色々なバイトをしておけば良かったということ。今になってやりたくなります(笑)。学生時代は時間があるのに、お金がなくて何もできなかった。その時間にお金を稼ぐ経験をしていたら経験値になったかもと悔やみます。今は時間がなくてできないことがあります。行けるのであれば、海外や、国内でも足を運んだことのないまちを観光したりして、視野を広げておくといいと思います。

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〈大西さん〉 社会人になっても勉強はできますが、やはり学生時代の時間はとても貴重な時間だと思います。勉強なりサークルなり旅行なり、今しかできないと思うことは全てやっておいてください。私は卒業旅行で海外に2週間ほど行きましたが、社会人になるとまずそんな長期休暇は取れないので、行っておいて良かったなと思います。
 旅行以外にも、少しでも興味のある授業を幅広く履修したり、大学が企画するイベントや講演会に参加してみてもいいと思います。面白いものが沢山ありますよ。
後悔したのは、英語を頑張らなかったことです。姉妹都市関係の仕事があったり、海外の行政職員が視察に来て下さったりと今の課では英語が必要な場面が何度かあったので、一般職員でも日常会話くらいはできた方がいいなと日々実感しています。

〈戸苅さん〉 サークル、アルバイト、勉強、ボランティア等、大学生という立場であるからこそできる経験がたくさんあります。何事もチャレンジしてみてください。

〈岡市さん〉 大学の4年間には、本当に色々なことが経験できるチャンスがいくつもあると思います。
沢山の時間があり、沢山の授業やゼミが用意されています。そして沢山の専門家が身近にいます。何が将来の仕事や考え方に繋がるかは分からないものです。どんどん挑戦して、充実した大学生活を送ってほしいなと思います。

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インタビューを終えて。

【福井】
 環境モデル都市に選定されるほど松山市は環境問題に様々なことに取り組んでいるので、自分が松山で一人暮らしを始めて慣れるまで時間がかかったのが、ごみの分別だったことを思い出しました。今回のお話を聴いて、公務員の仕事内容の幅広さには想像を超えるものがありました。専門的なことから国際的な仕事など様々な側面があります。日々変化していく行政課題や現代においては,地方都市も国際化における役割について考えていかなければならないのです。幅広い知識とその時代に合わせたニーズを読み取る柔軟性が求められる仕事だと思いました。何事にも挑戦する意欲と自分が幅広く成長するイメージを持つことが今回のインタビューを通じて重要なことだと思いました。

【井町】
特に地方公務員を目指している皆さんに伝えてあげたい内容が詰まったインタビューでした。4人の先輩方の思い思いの学生生活を聞いて 「どんな風に過ごしても公務員への道はあるんだ」ということが分かりました。時間はあるけど、お金はない。そんな大学生活の過ごし方に正解はないようです。また、公務員の仕事内容は幅広く、文系理系問わず沢山の業務があることに驚きました。自分の苦手分野であっても、一生懸命に取り組める人がこの仕事に向いているのだと感じました。
 また、大学時代の友達と今でも交流がある、と仰った方が多かったのが印象的でした。残り僅かな学生生活ですが、これまで築いてきた「つながり」、これからできるであろう「つながり」をもっと大切にしていきたいと思いました。

迫さん、大西さん、戸苅さん、岡市さん、お忙しい中貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。

<平成29年9月27日掲載>

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