20限目:(株)レデイ薬局 髙野 陽子さん
2013年3月 法文学部総合政策学科 卒業
<取材時>
(株)レデイ薬局
商品部 ビューティーケアグループ
店舗で取り扱う商品を選定し,決定するバイヤー。
消費者に感動を提供するために,どのような売り場が良いかを常に考えています。
現在の仕事を選んだ理由・きっかけは何ですか。
初めはマスコミ系への就職を希望していました。就職活動では全国のテレビ局の試験を受けに行き,沖縄の次の日は東京といったような,かなりハードなスケジュールでした。
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- そんな中,風邪をひいてしまい,レデイ薬局に行って薬を買ったんです。そこのレジのスタッフが優しく「お大事になさってください」と言ってくれました。ドラッグストアでそんな風に声をかけられたことに驚いて,感動しました。そのことがきっかけで,レデイ薬局の説明会に行ってみて「お客様に感動を提供する」というスローガンを掲げている会社だということを知りました。そのスローガンに共感してそれを作り上げる一員になりたいと思いこの仕事を選びました。
現在,どのような仕事を担当していますか。
今年の5月から商品部でビューティーケア(シャンプー,ボディソープ,男性用化粧品など)バイヤーの仕事をしています。
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- バイヤーはどの商品を店頭に並べるか,どのように置くか,どのように見せるかなどをメーカーと交渉して決める仕事です。そのために都市部での展示会に参加したりするので出張も多いです。店の中の商品の位置や並べ方はとても戦略的にできていて,バイヤーはその戦略を決めています。各店舗はその指示によって商品を発注したり並べたりします。
この仕事に就いたのは今年からで,入社して3年間は広島の店舗で化粧品の担当を経験しました。商品管理や接客を行ったり,お客様との関わりを通して商品知識も増えました。その後,松山の店舗で店長も経験しました。その時は店舗全体の舵取り役として動きました。
休日の過ごし方・向いている人について教えてください。
休日買い物に行った時は,商品が棚にどうやって並んでいるかを見てしまいます。陳列の仕方が違うだけで,同じ商品であってもお客様への印象が全然違います。ですから,商品の特徴や見せ方にどんな工夫がされているかなどを,つい見ながら買い物をしています。
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- ■どのような人が向いている仕事ですか。
人と接するのが好きな人は,お店での仕事に向いていると思います。広島で勤務していた頃に,誰一人自分を頼って来てくださるお客様はいませんでしたが,お客様の顔を覚えて,再来店されたときは声かけをしていました。次第に「髙野さん」と指名して化粧品を買ってくださるお客様も次第に増えていきました。そして広島での勤務最後日に,これまでお世話になったお客様に沢山来ていただきました。誰も知り合いのいなかった広島で,こんな関係が築けていたことに嬉しくなりました。その時に,接客はこんなにもやりがいがあるのかと思いました。これは入社するまで気付かなかったやりがいです。
社会人になって気を付けていることを教えてください。
とにかく明るく人に接しよう,と思っています。幼い頃から両親に「感謝と思いやり」と言われていてそれが染み付いています。絶体絶命的困難な状況に陥っても,そこで暗くなってしまったら周りまで暗くなってしまう。上司,同僚,部下,他の会社の方,お客様,多くの人と接する仕事だからこそ変わらない明るさを持ち続けることを心がけています。
下:学生時写真
どのような学生生活を送っていましたか。
テレビ局で報道フロアのデスク補助のアルバイトをしていました。テレビ局の裏側を知ることができて本当に面白かったです。他にも,webラジオのDJもしていました。4年間しかないんだぞ,と思って今しかできないことをやりました。
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- 他にも社会人の団体でゴスペルをしたり,H.S.G.(法文学部新歓学祭実行委員会)でハリボテ大会に参加したり,全てに全力を注いでいました。失敗も多かったですが,やり残したことは特に思い当たりません。
愛大生にメッセージをお願いします。
就活はすごく大きなものに思えます。落とされる時は理由も言われないから,自分をアピールしたら落とされるという辛い日々かもしれません。でも,「ここに入ること」が最善だと決めつけるのではなく,「入って何をするか」が大切です。大手がいい,知っている会社がいい,ではなくそこで何がしたいかが大事だと思います。入ること,内定を取ることが目的にならないようにすれば良いと思います。
インタビューを終えて。
【井町】
店内の商品の並べ方,積み方,POPの貼り方,売価などにはそのお店の商業戦略の知恵が結集されていることを学びました。取材後,レデイ薬局に買い物に行った際に注意深く店内を見渡すと,これまで何とも思わなかった箇所に多くの気づきがありました。店舗を構える業種への就職を考えている場合は,実際の店舗に足を運ぶことが必須だと感じました。
また,学生時代,多くのことに一生懸命に取り組んでおられた髙野さん。私も髙野さんのように「や残したことはありません」と言えるような学生生活を過ごしていきたいです。
【福井】
髙野さんのように就職活動中の思わぬ出会いで,自分が最初に希望していた職種とは違う業種の仕事に就くことは先輩学の取材をしていてよく聞く経験談の一つです。興味を持つきっかけは日常の生活の中にあり,それに気付くためには,どうやって視野を広げるかといったことも就職活動には大事なのかもしれないと今回のインタビューで思いました。
ご多忙のところ,ご丁寧にインタビューにお答えいただき,本当にありがとうございました。
<平成29年11月21日掲載>